About
BlueRebirthの理念
BlueRebirthは、日本の自動車産業におけるサーキュラーエコノミーを実現するために、動脈産業(生産・販売)と静脈産業(解体・リソーシング)のバリューチェーンを融合する取り組みです。BlueRebirthでは、資源を過度に消費せず自動車をつくれる環境、すなわち自動車に使われる材料が再び自動車に活用される「Car to Car」のエコシステム構築を目指しています。

行こう。
循環型社会の、その先へ。
青く美しい地球をのこしたい。 きれいごとにせず、人が豊かに生き続けるために。自分たちに何ができるのだろう。私たちが見つけた答え。 それは、何の心配もなく、 いつまでもモノを使い続けられる循環型のモノづくり。 だから、始めます。BlueRebirth 。 まずは、クルマから。 役割を終えたクルマを丁寧に分解し、 次のクルマを作る資源を取り出す。 ただ再利用するだけでなく新たな価値を付加していく「スパイラル・アップ・サイクル」へ。 目指すのは、地球資源をこれ以上掘り起こすことなく、 人々が、自由に、創造力を発揮し続けられる社会。 いま暮らす私たちが豊かさを求めることが、 何百年、何千年先の人々の豊かさに、 確かにつながっていくように。サステナブル&クリエイティブな未来へ。 共に、進みませんか。
Vision, Mission
Vision
終わりから始まるモノづくりを次の世代に。
地球の資源をこれ以上掘り起こさずに、人が自由に創造力を発揮し続けられるように。
使い終えた物を資源に生まれ変わらせることから、モノづくりの価値をつくりたい。
資源循環のよどみがなくなり、動脈産業と静脈産業の境もなくなる。
そこで働く人たちは、資源循環の主役として憧れの職業となる。
それが、BlueRebirthを実現した先で、次の世代に届けたいモノづくりの姿です。
Mission
動静脈融合のバリューチェーンを、クルマの資源循環から切り拓く。
価値を保ち、高める資源循環を、クルマから実現したい。
ELVから部品や材料を精緻に取り出せるシステムを実装し、高品質で高純度なリサイクル材料を増やす。
クルマの製造で安心して使えるように、リサイクル材料の規格をつくる。
時代が変わっても、リサイクル材料が時代に合った高機能な製品へと生まれ変われる仕組みをつくる。
BlueRebirthで描く動静脈融合のバリューチェーンを実現するために、技術開発と社会実装に取り組みます。
実現したい
バリューチェーン
BlueRebirthが掲げるのは、「終わりから始まるモノづくりを次の世代に届けること」です。BlueRebirthは、資源循環を前提に業務フローを最適化した動静脈融合バリューチェーンにより、新たな産業構造の構築を目指しています。

動静脈を融合し、
サーキュラーエコノミーの実現へ
日本の自動車産業でサーキュラーエコノミーを実現するためには、生産・販売を行う「動脈産業」と、廃棄物の最終処理や再利用を行う「静脈産業」を融合し、垣根のない新たなバリューチェーンを構築する必要があります。この動静脈を融合させた新たな産業構造の構築により、自動車産業に関わるさまざまな事業者の連携を促進し、自動車の循環資源における「量・品質・経済合理性」の確保を実現しようとしています。
BlueRebirthが目指す未来
BlueRebirthは、これ以上に資源を掘り起こすことなく、自動車を作ることのできる「Car to Car」のエコシステムの構築に取り組みます。 完成車メーカー、再生原料製造メーカー、材料メーカー、部品メーカー、そしてイネーブラーによる動静脈融合バリューチェーンを構築することで、産業を取り巻く課題を解決し、関わる事業者の経済および環境の持続可能性の担保を目指しています。
BlueRebirthの
Car to Carサイクル
BlueRebirthでは、新車の製造から回収、再生原料や材料の製造、そしてクルマに再び資源を活用する流れを設計しています。材料メーカー、完成車メーカー、部品メーカー、再生原料製造メーカーが密に連携することで、動静脈が融合したバリューチェーンによるCar to Carサイクルを目指します。
【参考】「成長志向型の資源自律経済戦略」2023(経済産業省)
私たちが目指すこと
-
90%回収する部材の重量割合BlueRebirthは自動車の資源循環を促進するため、ELV重量の90%以上の回収を目指します。
-
900秒/台解体ラインのサイクルタイム自動精緻解体システムの実装により、ELVの再資源化に向けたプロセスを1台900秒以下で完了することを目指します。
-
100万台/年私たちのシステムで再生する日本のELV台数私たちのシステムが経済合理性あるELV資源循環バリューチェーンづくりに貢献することを目指します。

求められる社会的背景
世界におけるサーキュラーエコノミーへのシフト

地球の豊かさを守る、
新しい経済システム
新しい経済システム
「地球の豊かさを守ること」と「経済を成長させること」の両立を目指すための仕組みとして、「サーキュラーエコノミー」の実現が世界的に求められています。例えば、多くの産業で採用される「リニアエコノミー」は、資源の大量生産・大量消費が前提のため、マテリアル消費量の増加による資源の枯渇に加え、GHG(温室効果ガス)排出量の増加や大気汚染、水質汚染など環境への負荷が大きいことが知られています。サーキュラーエコノミーでは、原材料の投入や廃棄を最小限に抑えながら、製品やサービスの「生産、使用、リサイクル」の循環とともに、付加価値を最大化することも目指しています。
これにより、循環に関わる事業者に新たな経済成長の機会を提供することにつながります。

【出典】OECD「Global Material resources Outlook to 2060」「Environment Datebase—Material resources」 (2019年2月12日)
自動車は、
資源豊富な「都市鉱山」
資源豊富な「都市鉱山」
世界におけるサーキュラーエコノミーの潮流のなかで、注目したいのは自動車産業における資源循環です。 私たちが暮らす都市には、その価値が見過ごされ、廃棄されてきた資源が数多く存在しています。それらの資源は「都市鉱山」と呼ばれ、再利用による大きなインパクトが期待されています。数万点の部品から構成される「自動車」もまた、都市鉱山としての価値に注目が集まっています。自動車製造では、多くの原材料が海外から輸入されており、輸送の環境的・経済的コストの大きさに加え、国際情勢の変化により資源が安定的に供給されなくなるリスクも抱えています。安定した自動車の生産体制を築くためには、国内で発生した自動車廃材を再利用し、新たな自動車をつくることが求められます。

※軽自動車代表1車種想定 ※株式会社デンソー調べ
欧州を中心に進む
「自動車の資源循環」
「自動車の資源循環」
EU(欧州連合)は2000年に「ELV指令」を制定し、メーカーに廃車の解体費用の一部負担を求めることや、廃車部材のリサイクル率の義務付けが検討されています。2023年の改定案では、新車に25%以上のリサイクル樹脂の使用を義務化することも検討されています。ドイツでは2023年1月に、16企業・機関からなる「C2Cコンソーシアム」が発足。新車の再生材使用量を現状の30%から50%に増やすと同時に、廃車から回収した素材を新車に再利用する動きが始まっています。

※欧州委員会2023/0284(COD)ポリシーオプション2-2A-M9bに基づく場合
【出典】欧州委員会2023
Circularity requirements for vehicle design and management of end-of-life vehicles

【出典】OECD「Global Material resources Outlook to 2060」「Environment Datebase—Material resources」 (2019年2月12日)
地球の豊かさを守る、
新しい経済システム
「地球の豊かさを守ること」と「経済を成長させること」の両立を目指すための仕組みとして、「サーキュラーエコノミー」の実現が世界的に求められています。例えば、多くの産業で採用される「リニアエコノミー」は、資源の大量生産・大量消費が前提のため、マテリアル消費量の増加による資源の枯渇に加え、GHG(温室効果ガス)排出量の増加や大気汚染、水質汚染など環境への負荷が大きいことが知られています。サーキュラーエコノミーでは、原材料の投入や廃棄を最小限に抑えながら、製品やサービスの「生産、使用、リサイクル」の循環とともに、付加価値を最大化することも目指しています。
これにより、循環に関わる事業者に新たな経済成長の機会を提供することにつながります。

※軽自動車代表1車種想定 ※株式会社デンソー調べ
自動車は、
資源豊富な「都市鉱山」
世界におけるサーキュラーエコノミーの潮流のなかで、注目したいのは自動車産業における資源循環です。 私たちが暮らす都市には、その価値が見過ごされ、廃棄されてきた資源が数多く存在しています。それらの資源は「都市鉱山」と呼ばれ、再利用による大きなインパクトが期待されています。数万点の部品から構成される「自動車」もまた、都市鉱山としての価値に注目が集まっています。自動車製造では、多くの原材料が海外から輸入されており、輸送の環境的・経済的コストの大きさに加え、国際情勢の変化により資源が安定的に供給されなくなるリスクも抱えています。安定した自動車の生産体制を築くためには、国内で発生した自動車廃材を再利用し、新たな自動車をつくることが求められます。

※欧州委員会2023/0284(COD)ポリシーオプション2-2A-M9bに基づく場合
【出典】欧州委員会2023
Circularity requirements for vehicle design and management of end-of-life vehicles
欧州を中心に進む
「自動車の資源循環」
EU(欧州連合)は2000年に「ELV指令」を制定し、メーカーに廃車の解体費用の一部負担を求めることや、廃車部材のリサイクル率の義務付けが検討されています。2023年の改定案では、新車に25%以上のリサイクル樹脂の使用を義務化することも検討されています。ドイツでは2023年1月に、16企業・機関からなる「C2Cコンソーシアム」が発足。新車の再生材使用量を現状の30%から50%に増やすと同時に、廃車から回収した素材を新車に再利用する動きが始まっています。
日本国内での自動車の循環に向けたバリューチェーンの構築

日本における自動車解体の
現在地と、4つの問題
現在地と、4つの問題
自動車の解体は単独の事業者ではなく、プロセスごとの分業によって行われています。自動車産業におけるサーキュラーエコノミーの実現に向けては、一連の解体プロセスとも関連する、「資源の海外流出 」「労働力不足」「 ASR(自動車破砕残さ)の処理 」「資源のダウンサイクル 」という4つの問題が指摘されています。
【出典】「成長志向型の資源自律経済戦略」2023(経済産業省)
資源の海外流出
2020年のデータによると、1年間で国内にて発生する国内登録抹消車440万台のうち125万台が輸出されています。また、解体後の資材もその多くが海外へと輸出されており、国内からの資源流出は年々深刻さを増しています。
労働力不足
自動車解体や破砕には手作業での部品取り外し・分別作業や危険物処理が求められます。しかし、エンジンなどの重量物を取り扱うことも多く、比較的負荷の高い作業が中心となる本業界には、若年層の参入が少なく労働力不足が深刻な問題となっています。
ASR(自動車破砕残さ)の処理
自動車の破砕後に残る、樹脂や金属、ガラスなどは「ASR(自動車破砕残さ)」と呼ばれます。これは再生材料の再資源化にかかる経済的コストが大きいため、その多くが焼却処理され、発生する熱を回収し再利用するサーマルリカバリーに回っており、環境負荷が高いのが実情です。
資源のダウンサイクル
現状、自動車を構成する部品の多くは品質や価値が下がっている状態で再資源化されています(ダウンサイクル)。この状態での循環が続けば、再資源化できる資源が減少していくことが予想されます。
日本における自動車解体の
現在地と、4つの問題
自動車の解体は単独の事業者ではなく、プロセスごとの分業によって行われています。自動車産業におけるサーキュラーエコノミーの実現に向けては、一連の解体プロセスとも関連する、「資源の海外流出 」「労働力不足」「 ASR(自動車破砕残さ)の処理 」「資源のダウンサイクル 」という4つの問題が指摘されています。
【出典】「成長志向型の資源自律経済戦略」2023(経済産業省)
資源の海外流出
2020年のデータによると、1年間で国内にて発生する国内登録抹消車440万台のうち125万台が輸出されています。また、解体後の資材もその多くが海外へと輸出されており、国内からの資源流出は年々深刻さを増しています。
労働力不足
自動車解体や破砕には手作業での部品取り外し・分別作業や危険物処理が求められます。しかし、エンジンなどの重量物を取り扱うことも多く、比較的負荷の高い作業が中心となる本業界には、若年層の参入が少なく労働力不足が深刻な問題となっています。
ASR(自動車破砕残さ)の処理
自動車の破砕後に残る、樹脂や金属、ガラスなどは「ASR(自動車破砕残さ)」と呼ばれます。これは再生材料の再資源化にかかる経済的コストが大きいため、その多くが焼却処理され、発生する熱を回収し再利用するサーマルリカバリーに回っており、環境負荷が高いのが実情です。
資源のダウンサイクル
現状、自動車を構成する部品の多くは品質や価値が下がっている状態で再資源化されています(ダウンサイクル)。この状態での循環が続けば、再資源化できる資源が減少していくことが予想されます。